定期的に見ているサイトのひとつに「デイリーポータル Z」があります。
「何故niftyがこのようなページを?」を思いつつも、適当な力の抜け具合と、馬鹿馬鹿しいことを次から次へとよくもまあ毎日(「デイリー」ってくらいですので)マジメにやってくれているなぁ、というのが好きで、結構和ませてもらっています。
で、そのサイトのレギュラーライター(イラストレーター)に、べつやくれいさんという方がいます。
このサイトの中でも最も気に入っている人なのですが、ついさっき、この方が劇作家の別役実氏の娘さんだということを知って、「へぇ~」でした。
そう言われてみれば(と言われるのは、もしかするとご本人には不本意かもしれないけれど)、どことなくとぼけていながら醒めた雰囲気は、通じるものがあるかも、と妙に納得してしまった次第。
探してみると、絵本(「しろねこくん」)も出されているようなので、早速Amazonで注文してしまいました。
こういう見方は邪道なのかもしれないけれど、まったく別々に関心を持った作家が実は血縁関係にあったということを発見するのは、新しい見方ができるようで、何か楽しい気がします。
別役実氏の方は、初めて読んだのが高校の時。
「ポンコツ車と五人の紳士」(「数字で書かれた物語―別役実第四戯曲集」に収録)という戯曲を文化祭で上演することになったのがそのきっかけでした。
ユーモラスな語り口がいつの間にか、不気味さ、寂しさとないまぜになり、当たり前だったはずのロジックが少しずつ少しずつずれて居心地悪くなっていく様子を「芝居」という五感で味あわせてくれるということが、多感なハイスクールボーイ(?)にはめちゃめちゃ刺激的だったのですね(今はなき渋谷の小劇場「ジァン・ジァン」に通い始めたのも、別役実の芝居がきっかけ)。
戯曲以外にもエッセイや童話なども数多く、「なにもないねこ」(「星の街のものがたり―別役実童話集」に収録)は、これまでに読んで目頭が熱くなった数少ない童話のひとつでもあります(もうひとつは、宮沢賢治の「よだかの星」)。
ふらふらとネットを眺めていると新たな発見をすることもあるものだなぁ、と改めて思いつつ(自分が知らなかっただけか?)、また再読リストに加える本が増えました、という話でした。
追記:
「デイリーポータル Z」のウェブマスターが、「webやぎの目」の林雄司氏というのも、実はつい先日会社の人に教えてもらって「へぇ~」でした。
別役実氏の童話は「黒い郵便船」「淋しいおさかな」の2冊を持っています。泣きます!
氏は今は無き月刊誌「アニマ」に連載もされており、いや絶妙でしたね。
エッセイ(というのか?)では「○○づくし」シリーズも面白いですよね(「アニマ」に連載していたのは、「けものづくし」だったのでしょうか?)。
最初の「虫づくし」は、初めて読んだ時「なんじゃ、こりゃ!?」で、思い切りハマってしまったものです。
一時絶版になってしまい残念に思っていたのですが、文庫で復活させてくれたH書房には感謝状をお贈りしたいと真剣に思っております。
今頃レスを発見したので大遅刻ですが、H書房ってもしや神田にある&非常にお世話になっているあのH書房ですか?
はい。
考えてみたら何も隠す理由ないですね。
そう、早川書房さんです。
こういう本を出し続けてくれるってのは、ホント嬉しいものです。
あらあらぜんぜん知りませんでした。
灯台下暗しですた。